アマゾンの主要事業
アマゾンはみなさんが良く使うサービスだと思います。
現在のアマゾンの主要事業をまとめてみます。
サービスが多様化していることが分かりますね。
ピルパックは最近買収した企業で、処方箋を1パックずつ小分けしたものを自宅まで届けてくれるサービスです。

アマゾン売り上げ2020年1月現在
アマゾンの売り上げは現在23兆円と大きな成長を見せています。
また当期利益もクラウドサービスによって1兆円を超えるようになりました。
利益率は4%程度なので改善する必要があります。
下記はアップル、グーグル、マイクロソフトとの比較です。
売り上げ順に並べています。
アマゾンの当期利益が課題であることが分かります。
ただし今後、クラウドサービス等によって改善していくことが予想されます。
売り上げ | 当期利益 | |
アップル | 26兆174億円 | 5兆5256億円 |
アマゾン | 23兆2887億円 | 1兆73億円 |
グーグル | 13兆6819億円 | 3兆736億円 |
マイクロソフト | 12兆5843億円 | 3兆9240億円 |
事業別売り上げ
アマゾンの事業別売り上げを下記に示します。
AWS(クラウド)、サブスクリプション(動画配信等)、その他(広告収入)の売り上げが大きな柱に成長していることが分かります。
実店舗はホールフーズの買収によって増加しています。

下記は売り上げの推移です。
特に2018年におけるAWS(クラウド)の売り上げは前年度と比較して47%増加しています。
さらにその他(広告収入)は117%の増加となっており、広告収入の増加も収益に加わりつつあります。

下記は2018年における売り上げの構成比率を示します。
サブスクリプション(動画配信等)、AWS(クラウド)、その他(広告)を合わせると21%程度まで成長しています。

アマゾンの収支
下記にアマゾンの収支を示します。
特筆すべきはAWSの利益率の高さです。
売り上げ約256億ドル(約2兆8千億円)に対し、利益は約73憶ドル(約8000憶円)です。
AWSの利益率は28%にもなります。
アメリカでは売り上げ約1414億ドル、利益は約727億ドルとなっています。
しかしこの収支の区分はどうにかならないものですかね。

アマゾンの競合
アマゾンは事業の多角化を進めていますが、競合相手が下記のように並大抵の相手ではありません。
中国ではついにアリババの牙城を崩すことができず、2019年に撤退しました。
クラウドではアメリカ国防総省のプロジェクト”ジェダイ”をマイクロソフトに取られてしまいました。
トランプ介入による不公平な審査であったことを裁判に訴えようとしています。
動画配信もDesneyが参入しています。
分野 | 競合相手 |
eコマース | アリババ、ウオルマート |
クラウド | マイクロソフト、Shopify |
動画配信 | Netflix, Disney+ |
音楽配信 | Spotify |
アマゾンの成長し続ける株価
アマゾンの株価は上昇し続けています。
2018年後半に少し落ちましたが持ち直しました。
2016年からすでに株価は3倍に増加しています。
PERは79と少し過熱気味です。
配当はまだありません。

売り上げと営業利益率推移
以下に売り上げと営業利益率の推移を示します。
元々、利益率が非常に低かったのですが、2018年から一気に利益が上昇しました。
これは主にクラウドの利益が爆発的に増えたためです。
これに加えて広告の利益も出るようになりました。
2018年から利益は1兆円を超えるようになりました。
最近になってやっと利益率が4~5%まで上がってきています。
これはクラウドサービスや広告収入が貢献しているためです。

1株当たり利益と配当
1株当たりの利益(EPS)と配当の推移です。
配当は残念ながらまだ出ていません。
1株当たり利益(EPS)は2018年から約4倍に増加したことが分かります。

1株当たり利益(EPS)と1株当たり純資産
こちらは1株当たりの利益と1株当たりの純資産です。
1株あたりの純資産が指数的に増加していることが分かります。
これは、アマゾンのインフラが拡大している証拠です。
特に航空機を含めた物流の増加が大きいと考えられます。
また今後、人工衛星を用いたインターネット接続への参入を表明しており、今後も増加し続けることが予想されます。

キャッシュフロー
こちらはキャッシュフローの推移です。
2017年は大きな投資を行っていることが分かります。
最近ではフリーキャッシュフローも潤沢になってきています。
クラウドビジネスと広告収入のおかげです。

企業におけるAWSの採用状況について
現在のアマゾンにおいて多くの利益をもたらしているアマゾンウエブサービスです。
下記はほんの一例ですが、多くの企業がAWSを採用しています。
企業 | 政府系機関 |
ネットフリックス | ペンシルバニア州立大 |
アドビ | メリーランド大 |
GE | サンフランシスコ州立大 |
ユニリーバ | シカゴ大 |
アンダーアーマー | ニューヨーク大 |
リフト | ニューヨーク公立図書館 |
あらゆる企業がAWSを利用しています。
多くの政府系機関も採用しています。
このようにすでに多くの企業がAWSを採用しており、今後も安定的な収入が見込めます。
インターネット広告事業の拡大
2018年のインターネット広告収入は74億ドルと成長しました。
そして、2019年のインターネット広告は爆発的に伸び、110億ドル(1兆2000億円)となりました。
2020年は150億ドル, 2021年は190億ドル(約2兆円)に拡大することが予想されています。

グーグルやフェイスブックと比較して興味深いのはアマゾンの伸び率です。
eマーケターの予測によるとアマゾンの伸び率はグーグルの2倍になるということが示されています。
モノを探す際に、グーグルではなくアマゾンから検索する割合が増えており、 この検索結果から広告の収入を得ています。
検索の流れが変わりつつあります。
アマゾンの医療における成長
アマゾンは処方箋配送サービスのピルパックを買収し、医療分野への進出を開始しました。
ピルパックは具体的には薬を1パックずつ小分けしたものを家庭へ配送するサービスです。
これにより、薬局で長い時間待たされたり、自分で薬を分けたりすることがなくなります。
アマゾンの通信おける成長
アマゾンは3200基もの人口衛星を使った高速通信事業を開始することを発表しました。
これまでAT&Tにほぼ独占されていた通信業界がアマゾンの進出によって変わろうとしています。
このプロジェクトはスカイカイパーと呼ばれ、地球全域をカバーする計画です。
海外旅行でのインターネット通信などの煩わしさが無くなりますね。
アマゾンの物流における成長
さらに最近では、物流自体も変えようとしています。
アマゾン自体が多くの大型航空機を持ち、荷物の移動を行っています。
すでに配送の半分は米国配送大手FedexやUPSでなくアマゾン自体が配送を行っています。
新しい決済方法の開発と事業への参入
アマゾンはさらに手のひらで決済ができるシステムを開発しました。
現在、コーヒーショップや実店舗へ展開しようとしています。
ビザと協業しています。
今後、マスターカードとも協業する予定です。
ビザや、マスターカードなどの主要な決算企業には影響はありません。
手のひらがクレジットカード代わり? アマゾンが開発中#アマゾンhttps://t.co/dOplpNqw7M
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) January 21, 2020
まとめ
このようにアマゾンはeコマース、クラウドビジネスや広告事業だけでなく、医療、通信、物流、決済事業でも収益を上げようとしています。
今後も事業の拡大が予想されます。
私のアマゾンを含めたポートフォリオと有望銘柄についてまとめた記事は下記を参考にしてください。
アマゾンのInvestor Presentationはこちら